2016年6月16日木曜日

【もう半分が過ぎたの……】 6月の映画特集

例によってズボラな僕は、6月初めに書いた記事をまだアップしてなかった


もう半分…と、タイトルには書いてみたものの、実はまだ1年の半分を折り返したわけじゃないんですね。

1年は12ヶ月なので、後半は7月からでした笑

まだ1ヶ月ありますが……。

先月に引き続き、「今月にまつわる映画特集」のコーナーです!

僕が選んだ6月にまつわる映画はこちらです!







No.1 『雨に唄えば』



6月に入るとじめーっとしたあの嫌な季節、そう梅雨がやってくるらしいです。らしい、って書いたのは、僕が北海道出身で、北海道にはいわゆる梅雨がないからです。世間一般では6月のイメージは梅雨に濡れた紫陽花とカエルって感じなんでしょうけど、正直僕はピンときてません笑 が、この映画を観て一緒に唄えば、外は雨でも心は晴れ晴れするはずです。ちょっとばかし古いえいがですが、ミュージカルなので観ていて楽しいし、オシャレでもあると思います。「嫌なイメージのある雨をただ嫌うのか、それとも雨の中で唄うのか」人生の豊かさについて、余韻の深い映画だと思います。


No.2 『羅生門』



1本目が洋画だったので2本目は邦画にしてみました。またまた梅雨から連想した映画です。といってもこちらはシトシト降る梅雨というより、ドシャ降りですが笑 日本が誇る名監督、黒澤明の『羅生門』です。芥川龍之介の「藪の中」という小説を原作にし、(タイトルだけ同じ芥川の「羅生門」からとっています。ややこしい)戦乱と飢餓によって荒廃した平安時代を舞台に、とある殺人事件の目撃者や関係者が食い違う証言をするという内容なのですが、観終わった後にいろんなことを考えたくなる、考えさせられる映画です。製作されたのが1950年とこちらもちょっと古いですが、描かれている内容は決して色褪せていません。また、僕がこの映画を雨の映画だと思ったのにはもう一つ理由がありまして、それまでの映画業界では色のない水滴や水しぶきをカメラに収めるのは至難の技でした。そこで黒澤明監督はドシャ降り感を演出するために、水に墨を混ぜて着色し、カメラに写りやすくしたという有名なエピソードがあるんですね。こんな雨の描き方を意識しながら観ても、黒澤明という監督の演出のスゴさを実感できるんじゃないかと思います。


No.3 『ティム・バートンのコープスブライド』



ジューンブライドという言葉がありまして、なんか昔から6月に結婚すると幸せになるっていう迷信というかジンクスがあるらしいんですけど。調べたところによるとヨーロッパでは3月〜5月は農業で忙しいから結婚が禁止されていて、解禁になるのが6月だったためその月に結婚する人が多かったという説や、6月=Juneの語源にもなったローマ神話の女神ジュノーまたはユーノー(ギリシャ神話でいうところのヘラです)が結婚を司っているからという説、果てはヨーロッパでは6月が一番天気のいい月だからという梅雨なんてどこ吹く風といった説まであるわけですが、この不確かな迷信ジューンブライドから連想した映画がこちら『ティム・バートンのコープスブライド』です。(前置きが長い)政略結婚させられそうになった主人公がひょんなことから死者の花嫁と結婚することになってしまい、死者の国に連れて行かれるもののそこには鬱蒼とした地上とは大違いな世界が広がっていて…というお話です。ティム・バートン特有のブラックとカラフルなファンタジー世界が、これまた楽しげな音楽とともに展開されるのも面白いし、登場人物たちが自らの世界とは違う世界に足を踏み入れることで、今いる世界の良さを知るという成長物語になっているので、後味の良さもいい感じな一本です!


No.4 『インセプション』



クリストファー・ノーラン監督の大傑作、僕の中でのベストムービー(お前のベストうっすいなとか言わないで、薄々気づいてます)『インセプション』!!奥さん殺しの疑いをかけられ、祖国アメリカに帰ることも、子供達に会うこともできなくなってしまったスパイの主人公。このスパイというのもただのスパイではなく、夢の中に入り込み、人のアイディアを盗み取るという特殊な企業スパイという設定で、人の深層心理や夢に入り込みながら自分自身の内面やトラウマにも向き合っていくというSFものであり、他の分野に長けた(例えば夢の中で変装するのが上手い奴とか、夢の設計が上手い奴とか)仲間を集めてアイディアを盗むというミッションに挑むチームケイパーものとしても面白いこの作品なわけですが、僕はクリストファー・ノーランを語る上で欠かせないのが父親という存在であると思うのです。詳しくは観てもらえると思うのですが、この作品は父親が自身を見つめ直し、トラウマを乗り越えて行く話とも言える思います。6月には父の日がありますので、それに関連してこの映画をあげてみました!


以下灰色文字の部分はノーラン映画と父親論について書いたものなので、興味のない方はすっ飛ばしてNo.5に進んでください。ノーラン映画の核心に触れた記述もあるので、ネタバレ注意です。

『ダークナイト・トリロジー』ではバットマン=ブルース・ウェインに「落ちるということ」を教えたのは死んだ父親で、(「Why do we fall Bruce? So we can learn to pick ourselves up」訳:「人は何故落ちる?這い上がるためだ」)『バットマン・ビギンズ』の後半でバットマンがピンチに陥った時に今度は執事のアルフレッドが同じセリフを放つことで感動の伏線回収に成功しているだけでなく、この言葉通りにウェインが成長し、最終章である『ダークナイト・ライジング』というまさにrise upする展開には舌を捲くわけですが、バットマンの成長や存在の裏には父親があるのは明白です。

『インターステラー』では父親の存在というのはより顕著になっていて、娘に愛想を尽かされていても、それでも父親は世界を救うんだ!娘への愛は時空を超えるんだ!っていう(こう書くと大丈夫かと思うような内容ですが笑)お話でしたが、娘との関係が断絶されかけた父親というのが象徴的な物語でした。

制作・原案を務めたザック・スナイダー監督『マン・オブ・スティール』でも主人公スーパーマン=カル・エルの産みの父親と育ての父親という二人の父が、スーパーマンがスーパーマンたり得る存在になっていく手助けをしていく(しかも二人とも自らの命を犠牲にして)過程をみても、父親という存在はノーラン映画において重要な要素であると思うわけです。(『マン・オブ・スティール』ではノーランが絡んだ映画には珍しく母親の存在にもフィーチャーされていますが、これはザック・スナイダーの影響ではないかと思っています。ザックはマザコンだった…というトンデモ理論を僕は展開しています笑)

そして『インセプション』はというと。主人公コブは妻殺しの容疑をかけられ国に帰れなくなり、最愛の息子たちと隔絶されているわけです。主人公の心理状況を写すかのように、夢の中では子供達の幻影が現れたりしている。そんな父親が妻の亡霊から逃れ、子供達の待つ国に必死に帰ろうとするという、ノーラン映画の特徴である「父親」の物語だと言えると思うのです。


No.5 『となりのトトロ』



最後のオススメはトトロ!前回の「5月映画特集」にも出てきてたろ!とお思いの皆さん、その通りです笑 前回は5月ということで「サツキ、メイ」とかけてオススメしたわけでしたが、今月は『となりのトトロ』が6月から始まる物語だということで「6月映画特集にも入れてみました笑 『となりのトトロ』は細かい書き込みが非常にされている映画でありまして、背景のカレンダーとか、季節の描写とかもちゃんとあって。サツキちゃんの髪が伸びたりもちゃんとしてるんですね。6月からの移り変わりにも注目して観ると面白いと思います!



ということで、6月に関連するオススメ映画を5本紹介してみました!ぜひ観てみてください!
(6月も半ばに差し掛かったころにアップしてほんとにごめんなさい笑)






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