2013年12月7日土曜日

【ついに完結!!これまでの謎のゆくさき】未来は絶対なのです。 『SPEC結 爻ノ篇』

あそこは一体どういうことだったのか



前回は結の感想レビューを書きましたが、今回はより作品にフォーカスして、これまでにばらまいてきた謎について考えてみたいとおもいます。

これまでまき散らしてきた謎については?知りたい知りたい?

ここで「餃子くせえ」と突っ込みを入れられた方はかなりのSPECファンでしょう(笑)

今まで散々引っ張ってきた数々の謎について整理していきます。あくまで僕の解釈なので間違っていることもあるかもしれません。

・シンプルプランとはなんだったのか
=スペックホルダーを殲滅するための兵器です。爻で実は単なるインフルエンザウイルスであったことが判明しました。インフルエンザウイルスは普通の人間にとってはただの風邪ようなあ症状しか出ませんが、遺伝子の構造が普通の人間とは違うスペックホルダーがこれに感染すると、タミフルなどの抗ウイルス剤も効かずに死んでしまうということのようです。これがインフルエンザによって毎年何人かが亡くなる理由です。かつてはスペイン風邪やペストなどで大量の死者がでましたが、それらもすべてスペックホルダーを殲滅するためのウイルスだったようです。

・ゴエティアのパーツとはなんだったのか
=シンプルプラン(インフルエンザ)の設計図です。もともとは五つのパーツに分けられて日本に持ち込まれたという設定でしたが、パーツ五つの攻防戦を描いてしまうとそれだけで40分かかってしまう(植田P談)という理由でゴエティアのパーツ一つしか登場しませんでした。

・御前会議とはなんだったのか
=日本のゆくさきを決定してきた選民による会議のことです。長である卑弥呼と世襲によって就任する4人のメンバーで構成されています。御前様と呼ばれる卑弥呼以外のメンバーはニノマエによって壊滅させられました。因みに会議での発言の際には、テーブルに置かれた銀杯に骨を投げ込むというルールがある。

・サブコードとはなんだったのか
=裏の世界権力を支配する権力。つまり白い仮面をつけた人々のことでしょう。

・サブアトラスとはなんだったのか
=白い仮面をつけた人々が参加していた会議のことです。日本からは御前会議の代表でもある卑弥呼が出席していました。WW2の戦勝国である欧米諸国は仮面で顔を隠す権利をもっていますが、敗戦国である日本や弱小国にはその権利はありません。サブコードの間では権力による国の上下があるようです。

・プロフェッサーJとは誰だったのか
=湯田(とうだ)秀樹の苗字は本当は湯田(ゆだ)であり、英語にするとJHUDAとなることからプロフェッサーJは湯田でした。彼はセカイや潤と同じ先人類(純粋な地球人)です。八咫烏に姿を変えることができ、人に憑依できる能力も持っています。華僑系のメジャーに雇われニノマエのクローンを作ることもしていたようです。彼は宮野に殺された野々村係長に憑依し、シンプルプランを奪いにきました。(野々村を殺したものの、手に入れたのがシンプルプランではなく青い柿ピー=野々村が雅ちゃんのために使っていバイアグラwだったという失敗を犯した宮野を殺したのも、殺された直後の野々村の遺体に憑依したプロフェッサーJだと考えられる)当麻の実家に訪れたのも、当麻にパラレルワールドについて認識させるためであり、爆弾による負傷で入院することで野々村に憑依することは不可能というアリバイを作りプロフェッサーJの容疑者から外れることができること、警察病院に入院することでその地下にあるスペックホルダーが匿われている施設に潜入できること、といった理由があったように思われます。また、当麻に平行世界について語る際に眠りに落ちて行ったのも、当麻葉子に憑依するというスペックを発動したためと考えられます。

・ソロモンの鍵とはなんだったのか
=当麻の右手に宿る平行世界をつなげる力のこと。セカイたちはスペックホルダーを当麻の中に避難させたあと右手の力で平行世界を開き、新たな次元にスペックホルダーを連れて行き先人類によって支配される地球を作ろうと考えていました。

・セカイとはなんだったのか
=現在の人類が誕生する前から地球に存在し、ガイアと話すことも出来ていた純粋な地球人です。今の地球人は実際には宇宙から隕石に乗ってやってきたアミノ酸が地球の生物のDNAに組み込まれて一気に勢力を増やした、いわば外来種で半地球人で、セカイたちは今の人間から地球を取り返すという目的をもって行動していました(潤や湯田が言っていた返してもらうという言葉も人類から地球を返してもらう、あるいはサブコードに権力として使われてきた先人類であるスペックホルダーを返してもらうという意味だった)。彼はもともと地球の生き物でもなかった人類が、地球を資源と考え自分たちのもののように争う姿を憐れみ、怒ってもいたと思います。それなのにガイアが今の人間たちにもスペックを与え(ニノマエや地居、美鈴など)たことを疑問に思い、またそのスペックホルダーをたちを恐れてもいました。彼の中にも「ガイアは今の人類から先人類に覇権が戻ることを良しとしていないのではないか」という不安はあったと思います。今回のバブル(セカイはいくつもの次元で世界をやり直してきて、今回の世界もその一つでした)でガイアが予想外の動きをしたことを面白がっているような素振りをみせながら、内心戦々恐々だったはずなのです。彼は人類をすべて殺そうとしていますが、彼はそれを悪だとは思っていません。むしろ地球を汚す人類がいなくなることこそガイアの意思であり正義だと考えています。彼の立場からすれば人類は侵略者であり悪なのです。こういった人類と先人類の双方の哲学・考えが衝突するという展開は非常に面白かったです。因みに予告編に「セカイガオワル」という文字が出ていましたが、これは世界ではなくカタカナだったので向井理演じるセカイが消えることを暗示していたのかなーなんて思いましたw

・潤とはなんだったのか
=青池の子供でありながら血液型やDNAが一致しないというキリストのような存在でしたが、それは先人類が潤の躯体、というか青池の体の一部を借りて生を受けたからでした。つまり彼女もセカイたち同様の種族であり、人類から地球を取り戻そうと考えています。余談ではありますが漸ノ篇には砂浜のような場所でバベルの塔のようなものを壊すシーンがあります。バベルの塔というのは旧約聖書に登場する天(もちろん劇場版 天 のことではありませんw)まで届きそうな搭のことです。その時代、地上には一つの言語しかありませんでした。すべての人間が同じ言葉をしゃべっていたのです。あるとき、そんな人間たちは神へ近づこうと、大きな大きな塔を建てることにしました。建設は順調に進み天まで届くかと思われた時のことです。ついに人間は神の怒りを買い、搭は壊されてしまいました。そして二度と同じようなものを作れないよう地上にたくさんの言語をばらまき、人間たちは意思疎通が不可能になったため混乱。一緒に作業が出来なくなってしまったため、人々は各地へと去っていきました。と、劇場版 天 のエンディングのように語ってみましたがw 潤がこのバベルの塔を思わせる砂の像を破壊する描写は、彼女たちが神=ガイアと会話することが出来た先人類だという象徴なのではと思いました。そんな潤も自分を産んでくれた青池に対して愛情を感じるようになります。青池は潤たち先人類から地球を奪い取った人類であり、汚れた肉体を借りていただけだと言っていましたが、(躯体としての意味で)育ててくれた青池の愛情に心を打たれ、最期はセカイによって青池共々消されてしまいます。潤が人間の愛情を理解し、青池にありがとう言うシーンで僕は少し泣きそうになってしまいました(笑)

・卑弥呼とはなんだったのか
これについては漸を観終わった後に僕も予想していた通り、北大路欣也さんでした(笑)彼も先人類の末裔で、セカイの兄という設定です。御前会議には出席せず沈黙を保ってきましたが、彼らがニノマエによって殲滅されたため動き出したということのようです。セカイたち先人類は自分たちこそが地球を支配するべくき正当な地球人であり、宇宙から隕石に乗ってやってきたアミノ酸が地球の生物のDNAに組み込まれて一気に勢力を増やした、いわば外来種で半地球人である今の人間から地球を取り返すという目的をもって行動しています。サブアトラスはスペックホルダーの暴走を止めるためにシンプルプランを推し進めていましたが、セカイたち先人類はスペックホルダーを殺し輪廻の部屋に送ることでソロモンの鍵として発動する当麻の中に取り込み、新たな次元へと避難できるようにシンプルプランを見守っていたようです。しかし、卑弥呼は「スペックホルダーこそがガイアの意思」つまり地球は絶滅寸前の先人類よりも今の人類を選んだと考え「シンプルプランの即時中止と撤回」を求めるのです。そして当麻に左手に火の剣を持つ天使としてのスペックではなく、マリアとしての右の腕(カイナ)に宿るスペック(新たな次元を開くソロモンの鍵としてのスペック)について教え、世界を救うためにすべての八咫烏を連れて地獄に来るように言うのです。ニノマエやマダム陽・陰たちの行動をセカイに悟られないよう邪魔していたのも彼でした。

・志村はなぜ殺されたのか
=これについては実は商品化されたほうの零のDVDで明らかになっているのですが、ほとんどの人は地上波放送しか観ていないと思うので書いておきます(ていうか買った人にしか謎がわからないのズルくないかwレンタル版にも収録されてないという徹底ぶり。そりゃねえよーw)まず、志村は麻薬取引の現場に突入したとき、華僑系メジャーの指示によって動いたスペックホルダー(おそらくブブゼラリーマンあたり)によってサブアトラスの場に転送させられます。サブコードたちは会議の場に日本の特殊部隊が突入してきた!と焦り、ニノマエに依頼して志村を事故に見せかけて殺すことにしたのです。華僑系メジャーがなぜそんなことをしたのか。それはシンプルプランを加速させるためだったのだと思います。スペックホルダーが志村を転送したわけですから、サブコードたちは彼らを脅威として、差し迫った脅威として認識したはずです。これも華僑系メジャーに使われていた湯田の差し金だと考えられ(シンプルプランが加速することでより早くスペックホルダーたちを輪廻の部屋へ導ける)、セカイたちの手下だった豚っ鼻リーマンが動いたことも説明がつきます。

・警視庁の屋上でいったい何が起こったのか

=おそらく、ここが一番大事なことだと思います(笑)理解するには順を追って説明する必要があります。長くなりますが耐えてくださいw

上に書いた通りセカイたちの目的は人類から地球を取り戻すことであり、世界中のスペックホルダーをたちを湯田に殺させて輪廻の部屋へと導き、当麻にシンプルプランを感染させることで左手のスペックを使って解決するように仕向け、霊体(八咫烏になっていました)となったスペックホルダーを世界中に開放することで人間たちの不安をくすぐり核戦争を勃発させる。核によって汚れたガイアは時空を超えて浄化へと向かう。スペックホルダーたちは当麻の中へと入り、右手の力で新たな時空を開いて当麻ごと避難する。という計画でした。しかしガイアの意思は先人類たちの滅亡だと気付いた卑弥呼が当麻を助けたことで計画は失敗。右手の力を使ってセカイ、湯田をも取り込み
、時空を開いて自殺することでスペックホルダーもろとも地獄へ落ちようとする。しかし、セカイに邪魔される。そこで当麻は瀬文を呼ぶのです。

このシーン、悲しかった。何が悲しいって、瀬文は漸で「俺にお前は撃てん」って言ってるんですよ。でも当麻を撃たないと世界が終ってしまう。当麻もそんなことは望んでいない。で、言うんですよね。

「来世で待ってろ

たった一言ですが、瀬文の当麻を愛する気持ちが伝わってきて……。直球な愛嬢表現じゃないkあらこそ美しく、観てるほうとしてはくるわけですよ。

そしてスペックホルダーを取り込んで化け物のようになっている当麻が一瞬普段の当麻になって答えるんですよね。

「ちっす」

って。ただそれだけしか答えないのが当麻なんですよ。もう今まで散々付き合ってきた二人ですからそれだけの言葉で伝わるんですよ。もうこのシーンで号泣ですよw画面を直視できませんw

で、セブンは当麻を撃つんですね。スペックホルダーを取り込んだままの当麻はそのまま地獄へと落ち、新たな次元を開いたまま死んだので、今までの世界は新たな次元の世界へそっくり移動しました。ただし、過去に当麻やスペックホルダーが存在したという記録はなかったことになっていますす。野々村係長も馬鹿猪も地居も美鈴ちゃんもみーんな、当麻の存在は知りません。瀬文は未詳にいないことになっているし、過去に起きた事件はすべて当麻や瀬文抜きで解決されたことになっている。地居と美鈴なんて付き合っていることになってますw 誰も、当麻の存在なんて知らないんです。瀬文をのぞいて。

次元を開いた当麻を殺すといういわゆる特異点の役割を果たした瀬文だけは、当麻のことを知っているし、前の次元の地球で起きた出来事の記憶もあるのです。しかし悲しいかな、新たな次元では瀬文は当麻を殺したただの警官殺しです。おそらく志村の死も、瀬文のせいになっているのでしょう。当麻を撃った直後、瀬文は五人の刑事によって殴る蹴るの暴行を受け、逮捕されてしまいます。暴行の末意識を失う直前、概念となって漂う当麻を見ます。

本当に悲しいです。世界を救ったのはこの二人なのに、誰もそんなことは知らず、一人は概念となり、一人は警官殺しとして逮捕される。二人は報われない。誰にも認知されない。

でも概念となった当麻を認識できる人も少しはいるようで、新たな次元におそらく本当の潤として生まれてきた潤も当麻のことを認識できていました。

それでもほとんどの人間は世界が変わったことにも気づかず、日常を送り続ける。

過去の作品のダイジェストのような映像が流れますがどの場面にも当麻はいなく、代わりに概念となった透明な当麻が漂う映像が当麻の父である当麻天役の佐野元春が歌う「彼女」のBGMの中流れていきます。

そして瀬文が収容された留置所にも概念となった当麻が浮遊します。しかし、当麻のことを覚えている瀬文は新たな世界でも当麻のことを認識し、当麻の腕をつかみます。その瞬間当麻は新たな世界に実体化し、二人が見つめあうのです。本当に美しいシーンでした。瀬文だけが当麻のことを覚えていたから、当麻は新たな世界でも生きられるのです。

ハリー・ポッターに出てくる言葉に次のようなものがあります。

「人が死ぬのはその人がいなくなった時ではない。その人が忘れられた時だ」

まさにその通りなのです。みんなから忘れられても、瀬文には認知された当麻は、瀬文の世界では生きられることができたのです。

エンドロールではこれまでに当麻が書いた習字の文字が次々に浮かび、「瀬カイハヒトツデハナイ」つまり

「世界はひとつではない

と表示されます。

最後のシーンで朝倉と話している女性は

「生物が持つ意識の数だけ世界はある。そして、ある面積以上の重なりが認識され、時にそれが、この世界と呼ばれる」

と言っていました。

そういうこいとだと思うんです。

当麻は本当が本当に実体化したのかはわからないけど、当麻と瀬文の意識が重なりをもって認識し合った以上、それは現実だと思うのです。

なんと美しいのでしょう。彼らは、彼らの現実を持っているということですよ!!

これが結のポスターに書かれていた

「真実は己の中に」

という意味だと思います。ドラマの己の回に謎が隠されているなんてことではなくてw、観る人それぞれの現実のなかでSPECは完結するということだと思っています。

結局丸投げで終わったじゃんいう人もいいるでしょうが、それでいいんです。

謎をばらまくのがSPECという作品ですからねwww(やっぱりズルいなあw)

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