2013年12月31日火曜日

映画の歴史を大きく変えた。 『タイタニック』

この映画は、僕の人生も変えた(本当です笑)



[作品情報]

タイトル:タイタニック(原題:TITANIC)


監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
制作:ジョン・ランドー
主題歌:セリーヌ・ディオン 『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』


出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン、フランシス・フィッシャー、キャシーベイツ、バーナード・ヒル、ヴィクター・ガーバー、グロリア・スチュアート、ダニー・ヌッチ、ジェイソン・ベリー


公開:1997/12/20


ストーリー
タイタニック号が大西洋に沈んでから84年後。トレジャーハンターのブロック・ロベット達は、タイタニックと共に沈んだとされるダイアモンド「碧洋のハート」を探していた。海底に横たわる船内に無人探索機を向かわせる彼らだったがダイアモンドは見つからず、発見されたのは1等船客を描いたと思われる絵のみ。落胆する彼らだったが、そこに一人の老婆から電話がかかってくる。電話の主は「その絵は私を描いたものだ」という。半信半疑だったものの、手掛かりを求めて彼女を船に呼び寄せ、話を聞いてみることにしたトレジャーハンター達。そこで彼女が語り出したのは、タイタニック号に乗り込んだ二人の若者の壮大なラブストーリーだった。






[予告編]

※この予告編は3D公開された時のものです。




豪華客船タイタニック

世界中の人が知っている言葉というアンケートを取ったとき、「コカコーラ」「神様」という言葉に続いて『タイタニック』という言葉がランクインしそうなほど、タイタニックという言葉は圧倒的な知名度を持っています。

みなさんが知っている通り、タイタニックとはジェームズ・キャメロン監督の映画であり、実在した豪華客船のことです。


映画についてお話しする前に、まずは船としてのタイタニックについて少しだけ紹介しておきましょう。

タイタニック号は、20世紀初頭にイギリスのホワイト・スターラインが計画した太平洋横断船の一つで、姉妹船としてオリンピック号、ブリタニック号という船がありました。

この三隻はオリンピッククラスと呼ばれており、今でこそタイタニックは「当時世界最大の豪華客船」といわれていますが、当時はオリンピック号がメインの客船であり、タイタニックが今のように多くの人に知られることとなったのは皮肉にも沈没事故を起こしてからでした。

当時は「ブルーリボン賞」と呼ばれるスピード競争が船舶業界では白熱していましたが、ホワイト・スター・ラインはそのような競争には目を向けず、快適で豪華な旅をする船旅を売り物にしていました。そんな中建造されることになったオリンピッククラスの三隻には安全対策にも力が入れられ、16に区切られた防水隔壁のうち4区画までの浸水には耐えられる構造になっていました。そのためタイタニック号は「不沈船」として宣伝されていました。

1912年4月10日、タイタニック号はイギリスのサウサンプトン港からアメリカのN.Yにむけて処女航海に出航しました。乗員合わせて2200人を超える乗客を乗せており、その出航はとても華々しいものでした。

何隻かの船から「氷山に注意せよ」との警告を受けてはいたものの航海は順調に進み、エドワード・スミス船長はホワイト・スター・ラインの社長であるブルース・イズメイ氏から「もっと速度をあげ26ノットを超えれば、新聞の一面をタイタニックが飾る」と言われ速度を上げて運航しました。このことが後に氷山に激突する原因の一つになります。

14日夜。海はとてもおだやかで波一つない夜でした。しかし波がないと氷山に当たって起きる波しぶきが立たず、氷山を発見するのが困難になります。タイタニック号も氷山を発見するのが遅れ、結果右舷前方に穴が開いてしまいました。この損傷個所が6区画に及んでおり、設計士のトーマス・アンドリュース氏が「タイタニックの沈没は免れない。もって1時間半だ」との予測がたてられ、救命措置がとられました。

しかし、タイタニック号は豪華客船として設計されていたためデッキの上を救命ボートが見苦しく埋め尽くしてしまうことを嫌い、乗員乗客数2200人以上に対し1178人分のボートしか用意されていませんでした。また、ライトラー2等航海士をはじめとする多くの航海士が、実際には70人を乗せてテストしたにも関わらず、65人乗りのボートが沈没することを恐れて半数にもも満たない人数しか乗せずに降ろしていたため、生存者は1178人よりも少ない人数となってしまいました。。(劇中ではこのことに対してアンドリュースが「もっと乗せてから降ろせ」というシーンがある)

海水が次々と防水隔壁を超え、タイタニック号は船首から沈んでいき、船尾は海面から大きく突き出す状態になっていきました。

そして衝突から2時間40分後の15日2時20分、船体は轟音と共に真っ二つに折れ、ゆっくりと沈んでいきました。船に残っていた乗客は極寒の海へと投げ出され、そのほとんどが低体温症による凍死、あるいは心臓麻痺で死亡しました。

救命ボートによって生き残った乗員乗客たちは午前4時ごろ、カルパチア号に救助されました。

また後の調査によるとこの事故での犠牲者は1513人にのぼるとされ、当時世界最悪の海難事故といわれました。

3歳児をも魅了した映画『タイタニック』

さて、この恐ろしい海難事故はジェームズ・キャメロン監督によって映画化され、2009年に『アバター』(この映画もジェームズ・キャメロン監督作品)に抜かれるまで、全世界で18億3500万ドルという映画史上最高の世界興行収入を誇る映画となっています。

どうして海難事故を描いた作品が、ここまでの人気を誇ったのでしょうか。

それは、『タイタニック」がラブロマンス作品であったからです。

主演のレオナルド・ディカプリオ演じるジャック・ドーソンとヒロインのケイト・ウィンスレット演じるローズ・ブケイターの身分違いの恋を描いているのです。

そしてこの二人実際にタイタニック号には乗船していませんでした。架空の人物なのです。

つまり、この作品は「世界最悪ともいえる海難事故を引き起こしたタイタニック号で、身分の違う男女が恋に落ちたら」という設定で描かれたほぼフィクションな作品なのです。

そのようなフィクションの部分がウケたのでヒットしたのでしょうが、僕はこの恋愛ラブストーリーではなく、実際に乗船していた乗客や乗員の様子、後半船が氷山に激突してからの部分こそがこの映画の神髄だと思っています。

ぶっちゃけ、二人のラブロマンスなんてどうでもいいと思うんです笑

実際、3歳の時に初めてタイタニックに夢中になっていた僕ですが、繰り替えし観ていたのはほとんど後半船が沈没し始めてからの部分なのですw

当時はまったくの子供だったので迫力のあるシーン以外は退屈だったのでしょうが、今大人になってから観なおしてみても、『タイタニック』の素晴らしい部分はほぼ後半だと言っていいでしょう。

では後半何がそんなに素晴らしいのか。

それはもちろん、沈んでいく船や乗客たちです。

デッキにまで溢れ出す水。ボートに必死にしがみつく乗客。窓を割って船に戻ってくる乗客とそこから侵入する海水。飛び降りる人々。大階段を飲み込む水。操舵室で船と運命を共にする船長。音楽家たちの奏でる「主よ、御許に近づかん」。傾いたデッキを滑り落ちる人々。割れる食器。扉を壊して入ってくる海水……。

この映画、かなりお金がかかってます。実物大の甲板を造ってそれを傾けて沈めたりして撮影しています。

なので恐ろしいほどにリアルなのです。

監督自らカメラを抱え、傾いた甲板を滑って撮影したりしていますし、撮影中に二人が骨を折る事故も起きています。

沈没するシーンはそれほど力を入れて撮影されています。

思うにこのシーンには僕の美観のひとつである「滅びの美学」(ここでの滅びの美学は本来の意味とは違い、滅んでいく姿に美しさを感じるという意味です。本来の滅びの美学は仏教の考えで、物事には終わりがあるから美しいとする考え方のことです)が最大限に詰め込まれていると思います。

もちろん実際の海難事故の再現ともいえる映像を美しいというのは、不謹慎ではありますが……。

しかしながら僕の中では、滅んでいく姿をとても美しいと感じるのです。

『ハリーポッターと死の秘宝part2』では崩れゆくホグワーツに、『カジノ・ロワイヤル』では沈んでいくベネティアの建物に、『マン・オブ・スティール』では滅んでいく惑星クリプトンに、「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』では衰退していくサーカスの面々にその美学を感じます。

そして今までで一番「滅びの美学」を感じたのはこの『タイタニック』です。

僕はこの映画を観たから、その後観た作品の中に「滅びの美学」というか哀愁をいうかを見出し、それを好むようになったのだと思っています。

そんな沈没していくシーン以外にも、タイタニックを観るべき理由はあります。監督は架空の人物を登場させたりもしましたが、なるべく実際に起きたことを再現しようとしました。

なのでタイタニック号の内装などは予算がたくさんかけられており、当時の様子が美しく再現されています。

美しいといえばその映像です。『タイタニック』では遠目の船体や乗客の様子などにCGが使われていますが、そのレベルは非常に高く美しい船体を再現するのに一役買っています。

ラストシーンに沈んだ船体のプロムナードデッキが映し出され、その映像が海底に沈んだデッキから沈没前の美しいデッキへと徐々に戻っていき、大階段に入るとそれまでの犠牲者が集合しているという場面があるのですが、ここなんて本当に圧巻です。

このシーンを観るためだけに、この映画をみるべきです、とも言えるほど素晴らしいです。

このシーンでは一応主人公であるジャックとローズがキスをし、犠牲者たちが二人を祝福するのですが、ぶっちゃけ二人なんてどうでもいいんです。

犠牲者たちをこのシーンに登場させるために、この二人がいたと言っても過言ではありません!w

こう言うと大げさかもしれませんが、それくらい素晴らしい映像なんです。


とここまで『タイタニック』の魅力について書いてきましたが、まとめると

タイタニックは映像美が素晴らしい映画だ。

ということです。笑

上映時間が長すぎる!と敬遠してきた方も多いと思いますが、船に氷山がぶつかってからの後半部分だけでも結構ですw

是非一度、美しい映像を体験して欲しいと思います。

ただ、ストーリーはちゃっちいので、映像だけ楽しんでくださいね笑

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